公認会計士・税理士 森 智幸
1.概要
国税庁は令和2年3月13日付で「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」を公表しました。
それによると、新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合、税務署に申請すれば、法令の要件を満たすことで、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められるということです(国税徴収法第151条の2)。
また、新型コロナウイルス感染症にり患された場合等、個別の事情がある場合は、納税の猶予(国税通則法第46条)が認められる場合もあるということです。
以下、ほぼ、コピペですがご覧ください。
2.納税猶予制度の要件
新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合、税務署に申請することにより、以下の要件を満たせば、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められるということです(国税庁のリーフレットより)
① 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
② 納税について誠実な意思を有すると認められること。
③ 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
④ 納付すべき国税の納期限(注1)から6か月以内に申請書が提出されていること。
⑤ 原則として、担保の提供があること。(担保が不要な場合があります)
この納税猶予制度を利用できれば納税を遅らせることができるので、その間の資金繰り悪化を緩和することができます。
業績悪化が予想される場合、まずは納税地の税務署に相談して、積極的に利用を考えるとよいと思います。
さらに、納税猶予が認められた場合の法律効果は以下のとおりです(同リーフレットより)。
- 原則、1年間猶予が認められます。(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
- 猶予期間中の延滞税の一部が免除されます。
- 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
3.個別の事情に該当する場合の納税猶予
新型コロナウイルス感染症に納税者(ご家族を含む。)がり患された場合のほか、新型コロナウイルス感染症に関連するなどして以下のようなケースに該当する場合は、納税の猶予が認められることがあるということです。(国税庁のリーフレットより)
(ケース1)災害により財産に相当な損失が生じた場合
(ケース2)ご本人又はご家族が病気にかかった場合
(ケース3)事業を廃止し、又は休止した場合
(ケース4)事業に著しい損失を受けた場合
こちらも、納税猶予が認められた場合の法律効果は以下のとおりです(同リーフレットより)。
- 原則、1年間猶予が認められます。(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
- 猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。
- 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
4.最後に
以上については、詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
このような緊急事態のときは、早めに納税地の税務署に相談に行かれるのがよいと思います。事前に電話をするほうがよいということです。
資金繰りは「入」と「出」のタイミングが重要です。納税は「出」にあたります。「出」は極力遅くすることがポイントです。