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「税務の異常点」の発見方法を徹底解説|日本公認会計士協会京滋会研修報告

1.税務の異常点とは?~その重要性と発見方法

 2025年4月11日(金)、日本公認会計士協会京滋会による研修「税務の異常点の表れ方と見つけ方」にて講師を務めさせていただきました。

 

 今回の研修では、税理士法45条2項や国税庁の注意喚起事例を基に、税務の異常点の重要性とその具体的な発見方法について解説しました。

 

2.税理士法45条2項が示す「相当の注意を怠り」とは?

 税理士法45条2項は、過失による不真正の税務書類の作成等について定めた条文です。

 

 税理士が相当の注意を怠り、不真正の税務書類(不正な確定申告書や還付申告書など)を作成等した場合、戒告又は2年以内の税理士業務停止となる可能性があります。 

 

 ここで「相当の注意を怠り」とは、税理士が職業専門家としての知識経験に基づき通常その結果の発生を予見し得るにもかかわらず、予見し得なかったことをいいます(税理士法基本通達45‐2)。

 

 そのため、プロフェッショナルであれば当然わかるはずの異常点を見逃すと、相当の注意を怠ったと判断されます。

 したがって、税理士法45条2項に抵触しないようにするためには、税務を行うに当たって、あらかじめ、税務においてはどのような異常が表れるのか、また、どのように発見すればよいのかということを知っておくことが重要です。

 

 今回の研修では、私が作成したオリジナルレジュメを用いて、最新情報も含めて異常点の表れ方と見つけ方を解説いたしました。

 

3.生成AIによる異常点の発見

 今回の研修では、エクセルや生成AIを活用した異常点の発見方法についても解説しました。

 生成AIはテキストマイニングによって数値以外の領域でも異常点を検出することが可能です。

 また、ルールベースにおける分析においても、取引特定や不正検出に役立つ実践的なツールとして期待されています。

  

4.おわりに

 平日の夕方にもかからず、ご参加いただいた公認会計士の皆様、誠にありがとうございました。 

 今後も、本ブログや研修などで、最新情報や実践的な知識を共有してまいりますので、ぜひご期待ください。

 

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